運営者情報
運営者
メニュー
メニュー

漁師結びのひとつである「完全結び」の結び方。強度測定など

漁師結びのひとつである「完全結び」の結び方。強度測定など
当ページのリンクには広告が含まれている場合があります。

「漁師結び」というのは数種類あって、今回の記事ではその中の「完全結び」を取り上げます。

目次

釣りの結び方はこちらの記事にまとめています。

釣り糸の結び方一覧と強度比較

結論:フロロカーボンラインは結節強度が低いので、ナイロンと違い、どの結び方でも強度にそんなに差が出な...

公開日
更新日

完全結びの結び方

できるだけ、アイ(穴)の内側で「ラインの上にラインがクロス」して重ならないようにする手順を解説しています。

完全結びの結び方でクロスして重ならない手順

STEP
アイ(穴)の手前から奥にラインを通して20cmの結びしろを確保する。

※ 解説画像の青いのはスナップのつもりです。黄色がラインの端です。

完全結びの結び方STEP1
STEP
今度は逆に、アイの奥から手前にラインを通して輪を作る。
完全結びの結び方STEP2

この時、下の画像の悪い例のように、アイ付近でクロスさせない。

STEP
ラインの端線以外の3本を束ねてツマむ。
完全結びの結び方STEP3
STEP
束ねた3本の「裏から手前→裏」へ端線をグルっと1周巻く。
完全結びの結び方STEP4
STEP
合計4回巻く。
完全結びの結び方STEP5
STEP
ラインの端線を輪に通す。
完全結びの結び方STEP6
STEP
ラインの端線だけを引っ張って輪を小さくして、結び目全体を水で濡らす。
完全結びの結び方STEP7
STEP
本線と端線を交互に少しずつ数回に分けて締め込んで完成。
完全結びの結び方STEP8

完全結びの強度

「完全」という名前から相当強そうですよね。

あと、巻き数に関して「4巻き」を推奨しているサイトが多数です。

実際はどうでしょうか?

巻き数別に引張強度試験を行い、巻き数と引張強度との関係の傾向を探ってみました。

強度テスト機材は記事にしています。

釣糸の強度を測りたくてフォースゲージを購入してスタンドを自作

釣り糸の強度を測定するためにデジタルフォースゲージを購入。ラインについてかねてから疑問に思っていたこ...

公開日
更新日

使用したラインは、魚に見えないピンクフロロ船ハリスの3号のフロロカーボンラインです。

巻き数を増やすと強度がどうなるかの傾向がわかればいいので各試行回数は3回にしました。

引張強度試験の結果です。

完全結びの強度試験結果

抜粋して表にするとこのようになります。

巻き数強度
2巻き72%
3巻き72%
4巻き72%
5巻き55%

2~4回巻きで強度が同じ72%になりました。

5巻きの強度が55%と低くなったのは、明らかに「キレイに結べなかった」のが原因です。

キレイに結べなかった時の強度の落ちっぷりが半端ないので、「4巻き」がおすすめになります。

ユニノットの強度が75%ですので、ユニノットと似たような引張強度ですが、アイ(穴)に2本ラインが通っている分、耐摩耗性的には有利なのでしょう。

しかし、切れる時は結び目の中で切れるので間違っても強度90%出る構造ではないでしょうし、PEラインの直結びでは滑ってすっぽ抜けるので他のノットと比べてメリットがなく、個人的には何を持って「完全」という名前にしたのかと思ってしまいます。

ちなみに太めのラインだったらどうなるか、8号のフロロカーボンラインで試験しました。

使用したラインは、魚に見えないピンクフロロ船ハリスの8号です。

完全結びの強度試験結果(太めのライン)

抜粋して表にするとこのようになります。

巻き数強度
2巻き61%
3巻き62%
4巻き65%

全体的に3号よりも強度が落ちています。

完全結びするには8号のフロロカーボンラインでは太すぎるようで、もはやペンチで端線を引っ張らないと締められません。

完全結びはあまり太いラインは苦手だと思われます。

カーボナイロンラインでの完全結びの強度

デュエルのCN500の3号カーボナイロンラインでは、完全結びの3巻きでの平均強度は71%でした。

完全結びはPEラインではすっぽ抜けます

シマノのピットブル8の0.8号を使って切れるまで引っ張るテストを5回試しましたが、切れる前に端線が滑ってスッポ抜けました。

海の事故・事件は118番へ電話

118

ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯電話から緊急通報(110番、118番、119番)を行った場合に、緊急通報を行った場所に関するGPS測位情報か基地局の住所が自動的に送信されますのでご安心ください。

(通話料はもちろん無料です)

出典:海上保安庁