漁師結び「最強結び」の結び方と引張強度

比較的太めのラインを結ぶのに適したノットである「最強結び」。逆にPEラインは苦手です。
目次
釣りの結び方はこちらの記事にまとめています。
複数ある漁師結びのひとつである「最強結び」
漁師結びと呼ばれる結び方は3つくらいあって、まぎらわしいのでそれぞれ以下のように別名がついています。
- 漁師結び(完全結び)
- 漁師結び(最強結び)
- 漁師結び(ジャンスィックSP/八丈掛け)
最強結びは比較的太めのラインを結ぶのに適している
クリンチノットのように結び目を作る時の巻き数が多いと、最後に締める時に巻き付けが多いがゆえの摩擦抵抗で、太いラインになるほど素手では締めきれずペンチなどで端線を引っ張る必要があります。
この「最強結び」は巻き数が2回なので、締める時の摩擦抵抗が少なく、太い糸でも楽に締め付けることができます。
最強結びの結び方






結び目の形を整えるだけでまだ力一杯締め付けません。この後結び目をすべらせて移動させますし。


完成した結び目はアイの横でラインがクロスしますがそれで正常です。

ラインのクロスが気になって、「あーでもない、こーでもない」と何回も結んで模索しましたが、この結び方の構造上クロスするようです。
最強結びの引張強度
強度テストを行う前までは、「最強」というからには、どれだけの強度が出るのか楽しみでした。
強度テストはデジタルフォースゲージと自作のスタンドで行っています。
フロロラインでの最強結びの強度
テストに使用したのは3号フロロライン(魚に見えないピンクフロロ船ハリス)です。
最強結びは2cmの輪を作ってからそれよりも小さい1cmの輪を2回巻いて2コ作りますが、それを倍の4回巻いたら強度は上がるのかも同時に測定して確認しましたが、結果は変わらすで、最強結びの引張強度は75%前後のようです。
巻き数 | 強度 |
---|---|
2巻き | 75% |
4巻き | 74% |
ユニノットも75%くらいの強度ですから「最強」の称号がふさわしいのかは疑問です。
アイ(穴)に対して2重のラインでホールドしているので、その分、負荷が2本に分散するので耐摩耗性はユニノットに比べれば良いと思われます。
カーボナイロンラインでの最強結びの強度
デュエルのCN500の3号カーボナイロンラインでは、最強結びの2巻きでの平均強度は97%でした。
最強結びはPEラインの直結びではすっぽ抜けます
これまで色々な結び方でPEラインに使用した時にすっぽ抜けるのかテストしてきましたが、この「最強結び」ほどあっけなくすっぽ抜けるノットは初めてでした。
使ったPEラインはシマノのピットブル8の0.8号ですが、すべりやすく細いラインは最強結びは苦手なのでしょう。