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強度テストで明らかになったナイロン、フロロ、PEの特徴

強度テストで明らかになったナイロン、フロロ、PEの特徴
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結論:ナイロンとフロロの直線強度はパッケージ記載の数値よりもほぼ大きく、PEは逆に小さい。PEラインは編み本数が多いほうが同じ号数でも太い。

目次

釣り糸の素材別の直線強度

「直線強度」とは、糸に結び目の無い状態で引っ張って切れるまでの強度のことです。

パッケージなどの記載されているポンドやkgもこの直線強度であり、その糸の最大強度が出るのもこの直線強度です

この直線強度の測定には「JIS L 1013」というJIS規格があります。

糸を機械に取り付けたそのつまみ間隔を25cm、機械で引っ張る時の速度は1分間に30cm±3cmと定められています。

実際に、ナイロン、フロロ、PEの直線強度を可能な限りJIS規格に沿って測定しました。

使用したラインの一覧です。

下の画像はその測定結果です。

素材別の直線強度の測定結果表

ナイロンとフロロの直線強度は、パッケージ記載の数値よりもほぼ大きい傾向

まずナイロンとフロロですが、全部太さは同じ3号です。

この表を見ると、ナイロンとフロロはパッケージ記載の強度よりも実際の強度は大きいことがわかります。

ダイソーの100円ラインでさえ105%ありました。

釣り糸の素材別の直線強度。ナイロンとフロロ。

糸というのは、ひとつでも結び目を作るとそこから切れます。

なので、たまに目にする「〇〇ノットの強度は脅威の107%!」とかは非物理的なんです。

どのようなノットであろうと「結び目」であることには変わりはないのですから。

なのに100%を超えるのはパッケージ記載の強度を100%として計算しているからなんです。

例えば、上の表のナイロンの「ダイワ ジャストロン3号」で、ある優秀なノットが平均12.5ポンドで切れたとします。

パッケージ記載の強度が12ポンドですから強度は脅威の100%超え(104%)になります。

ですがこのラインの実際の真の強度は平均14.1ポンドなのでそれを強度100%とすると、そのノットの強度は89%になります。

PEの直線強度はパッケージ記載の数値よりも弱い傾向

先程の表の2つのPEが両方ともパッケージ記載の強度を下回っていますが、

釣り糸の素材別の直線強度。PEライン。

この製品のパッケージ記載の強度は「最大強度」と書かれていたせいもありますが、それにしても80%程度しかありませんでしたし、その最大強度にはとても届く感じはしませんでした。

PEラインの強度テストをやっているサイトや動画内で公開されているデータを見ると、おおよそですが、

PEラインの太さ1号の場合、同じ太さでも、

  • 4本編みで16lb(7.2kg)
  • 8本編みで18lb(8.2kg)
  • 12本編みで22lb(10kg)

がひとつの基準になる感じでした。

不思議ですよね。同じ太さなのに編み本数で強度がこんなに変わるなんて。

PEの直線強度が編み本数で変わるのは太さのせい?

先程の表のシマノのピットブル4は4本編みの1号、ピットブル8は8本編みの0.8号です。

糸の号とは断面積です。1号と2号では糸の断面積が2倍ということです。

引張強度は断面積に比例します。断面積が2倍なら強度も基本2倍になります。

今回、PEの1号と0.8号を比較しているのですから、0.8号は1号の「80%」の強度になるのが普通です。

しかし実験結果は、14.6 ÷ 15.6 で 「94%」です。

つまり、4本編みよりも8本編みの方が強いという結果になります。

「なんでかな~?」と、たまたま村田基さん公認の切り抜き動画を観ていたら、

【村田基】PEラインの4本,8本,12本撚りのそれぞれの特徴を徹底解説(高画質化)【切り抜き】 - YouTube

同じ号数でも8本編みは4本編みより太い」って動画の中でおっしゃっていて、同じ1号でも4編みで100mピッタリ巻けたリールが1号の8編みでは90mしか巻けないと。

「マジっすか」と、手持ちのシマノのピットブル4とピットブル8を拡大鏡で比較してみることに。

異なる編み本数のPEラインを拡大鏡で見る

写真の左がピットブル4の1号で、右がピットブル8の0.8号です。

真ん中の拡大鏡はアマゾンで購入した新潟精機のライトスケールルーペ LSL-26です。

2本のPEラインを並べてセロテープで固定してその上に拡大鏡を置いています。

PEライン拡大鏡で比較してみる

さらに拡大してみると、

PEラインの拡大画像

8本編みの0.8号の方が4本編みの1号より太く見える!

机の上に並べてから思いっきり押しつぶした後、セロテープで固定して撮影した影響もあるかもしれませんが、同じ号数ならまだしも、1号と0.8号を比較しているわけですから・・・。

釣り糸の素材別の結節強度

「結節強度」の結節は結び目のことです。

糸の結節強度の良し悪しを測る時も先程のJIS L 1013規格を使います。

できるだけシンプルな結び目(一重結び)にして、結び目のデキで測定値が左右されないようにします。

一重結び

実際に、ナイロン、フロロ、PEの結節強度を可能な限りJIS規格に沿って測定しました。

以下の画像はその測定結果です。

素材別の結節強度の表

ラインメーカーの山豊テグスさんのショックリーダーのページ下部に掲載されている素材比較表を裏付けるような実験結果になりました。

ナイロンラインの結節強度は70%前後

まず、ダイソーの100円ナイロンラインが、なぜ100円なのかがわかります。

ナイロンラインの中で結節強度が低く、特に偏差が他のナイロンラインが一桁なのに15%もあるんですね。

ナイロンラインの結節強度はだいたい70%前後といったところでしょうか。

フロロカーボンラインの結節強度は50~60%前後

フロロカーボンラインの測定結果を見ると、両者とも50%台になっています。

フロロはその硬さがあだになって結節強度が低くなります。

PEラインの結節強度は40%前後

実験していてPEラインがあまりにもアッサリ切れるので不安になりましたが、山豊テグスさんの素材比較表のデータを見て安心しました。

PEラインの結節強度40%って、個人的にはスナップやサルカンに直結びしてはいけないレベルに思えます。

「PEラインを使う時はナイロンかフロロのリーダーを使いましょう」という文言を見かけますが、これだけ直結びの強度が弱いんですから納得ですよね。

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118

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出典:海上保安庁