ユニノットの結び方。多く巻いても引張強度は上がりません。

ユニノットは、ほぼ「結べないものはない」万能なノット(結び方)です。
サルカン、スナップ、スプリットリング、管(穴)付きの釣り針など、金具の穴と結ぶのはもちろん出来ますし、ラインとラインも結べます。
また、スピニングリールのスプールに糸を巻く時は基本、ダブルユニノットで結びますし、ホントに万能なノットなんですね。
目次
釣りの結び方はこちらの記事にまとめています。
ユニノットの結び方

※ 青いのがスナップのつもりです。



この後スナップまで移動するので、本気で締め込むと痛むので結び目を1.5cmくらいに小さくまとめる程度に軽く締めます。

ユニノットの巻き数別の強度の違い
強度測定の機材はデジタルフォースゲージと手作りのスタンドです。
まずはフロロラインの強度テストから。
使用したラインは魚に見えないピンクフロロ船ハリスの3号と8号のフロロカーボンラインです。
結んだスナップは0.5mm軸のクロスロックスナップの#1です。
各3回ずつテストして、結び目のない状態での引張強度の平均を100%としてそれぞれの強度を算出しています。
3号(12lb)フロロラインでのユニノットの巻き数別強度
巻き数ごとに3回ずつ試験しました。
巻き数 | 強度 |
---|---|
4巻き | 73% |
5巻き | 74% |
6巻き | 76% |
7巻き | 72% |
8巻き | 72% |
試行回数が少ないですが、少なくともクリンチノットのようの巻き数を増やすと強度も増すという比例の関係にはなさそうなのはわかります。
ちなみに、2巻きと3巻きが無いのは測定中に限界付近でスベってすっぽ抜けたから除外しました。
8号(30lb)フロロラインでのユニノットの巻き数別強度
4巻きから8巻きまで巻き数を増やしても強度は上がらないです。
巻き数 | 強度 |
---|---|
4巻き | 72% |
5巻き | 68% |
6巻き | 73% |
7巻き | 66% |
8巻き | 68% |
ユニノットの巻き数は5巻きがベスト
クリンチノットは巻き数と強度は比例関係にあります。4巻きよりも5巻き、5巻きよりも6巻き、・・・8巻きよりも10巻きのほうが強度があり、10巻きでの強度はほぼ100%です(3号フロロの魚に見えないピンクフロロ船ハリスの場合)
しかし、ユニノットでは巻き数を増やすほど強度も増すといった比例関係は無かったです。
ならば一番巻き数が少ない4巻きが良さそうですが、たしかに4巻きのテスト中に1回もすっぽ抜けしませんでしたが、3巻きがすっぽ抜け頻発していたのを考えると、4巻きでもすっぽ抜ける可能性はありそうなので、すっぽ抜けへの安全マージンをとる意味で、
「ユニノットは5巻きがベスト」
だと思われます。
よく、滑りやすいラインは巻き数を1回多めとか、細い糸も1回多くとか、太いラインは1回少なくとか、色々と言われていますが5巻きの決め打ちでいいと思います。
あと、7巻きとか巻き数が多い時に切れたラインは、結び目がスナップにそのままついたままで、結び目がまだバリバリ生きていてハサミで切らないととれないことが多いです。このように。

普通そのような場合、ライン強度は上がるはずなんですけど逆に弱くなるのは、結び目の中のどこかで強度が落ちているということになります。
テストをやっていて感じるのは、結びにくいがゆえに汚くヨレが入ったまま無理に締め込んでしまった挙げ句、キンクを起こして強度低下しているんじゃないかと。
カーボナイロンラインでのユニノットの強度
デュエルのCN500の3号カーボナイロンラインでは、ユニノットの5巻きでの平均強度は93%でした。
ダブルユニノットの結び方
ダブルユニノットの結び方は、上のユニノットの結び方のSTEP.2が違うだけであとは同じです。
ユニノットはアイに1回通しましたが、ダブルユニノットはアイに2回通します。だからダブルといいます。

なので、出来上がりのアイの部分が1本から2本に増えます。

いかにも強度が上がりそうですが、引張強度に関しては変わりません。
ダブルユニノットの巻き数別の強度の違い
シングルのユニノットの強度テストに使ったのと同じ3号フロロラインを使っています。
巻き数 | ダブル強度 | シングル強度 |
---|---|---|
4巻き | 69% | 73% |
5巻き | 76% | 81% |
6巻き | 73% | 76% |
引っ張った時の強度は変わらないと思われます。
ただ、アイの部分がダブルになっているので、アイとの摩擦耐性はダブルのほうが分散される分強いのではないかな?気分的に?このへんはよくわからないですね。
カーボナイロンラインでのダブルユニノットの強度は?
デュエルのCN500の3号カーボナイロンラインでは、ダブルユニノットの5巻きでの平均強度は98%でした。
ダブルラインのユニノットの結び方と強度
ラインを2重(ダブルライン)に持ったままユニノットを結ぶ、ダブルラインのユニノットというのがあります。
アイの部分だけじゃなくて結び目全体のラインが2重になる結び方です。
クリンチノットもそうですが、2重にするとすっぽ抜けしなくなるので2巻きから強度を測定しました。
シングルのユニノットの強度テストに使ったのと同じ3号フロロラインを使っています。
強度試験結果です。
巻き数 | 2重強度 | シングル強度 |
---|---|---|
2巻き | 75% | 未計測 |
3巻き | 73% | 未計測 |
4巻き | 77% | 73% |
5巻き | 76% | 81% |
ダブルユニノット同様、少なくとも引張強度については2重にしても変わらないと思われます。
カーボナイロンラインでのダブルライン・ユニノットの強度は?
デュエルのCN500の3号カーボナイロンラインでは、ダブルライン・ユニノットの4巻きでの平均強度は99%でした。
ユニノット系はダブル、ダブルライン問わずPEライン直結びではすっぽ抜けます
ユニノットがPEラインの直結びで使えるか試してみましたが、テスト1回目で見事に滑ってすっぽ抜けました。
使ったPEラインはアマゾンで購入したシマノのピットブル8の0.8号です。
その10秒動画です。
PEラインの端をハサミでつまんでいるところからスタートしています。
結び目の巻き数を5巻きにして結んだ時は、引っ張っても結び目がビクともしなかったので大丈夫そうでしたが、機械に装着してから負荷をかけた2.57kgからズルズルとスベって、最後に全部すっぽ抜けています。
普段スピニングリールのドラグ調整をする時にラインを手に巻き付けて引っ張ってますが、その時「手が痛い」と感じるくらいでせいぜい2kgなので、その力加減で結びましたから2.57kgまで届いていないんですね。
だから結んだ時にはスベるかどうか分からなかったんですね。タチが悪いですね。
最悪、高価なルアーが高切れならぬ「高抜け」で沖に飛んでいくわけですから。
ダブルユニノットでもスベってすっぽ抜けます。
ダブルラインのユニノットでも滑ってスッポ抜けます。